第11章

「違う……私じゃない。何度言えば信じてくれるの? 私が彼女を突き飛ばしたんじゃ……」

証拠なんて何ひとつないのに、藤原浩史はいつだって白野恵美の言葉だけを信じた。

無条件に、彼女だけを。

じゃあ私は?

まるで、捨てるしかないゴミみたいに。

「本川西子。お前、死ねばいいのに」

彼が私に向かって一番口にした言葉は、それだった。

本川西子、お前は死ね。死ねばいい。

あの日――結局、彼は私を逃がしてはくれなかった。

会所の個室で私を求めたのは、欲望なんかじゃない。辱めるためだ。

「本川西子。ここの陪酒女が一晩いくらか知ってるか……」

「本川西子。お前はあいつら以下だ」

「本川...

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