第138章

星は無実そうに僕を見上げた。

「西子……手が痛い」

こいつ、ほんとに腹黒い。

たいして傷でもないほうの手に、わざわざ点滴を入れさせておいて、それで「手が痛い」だなんて。

つまり、私が世話しろってこと? ズボンまで下ろしてやれってこと……?

その瞬間、古宮真也のあの言葉が脳裏をよぎった。

――好きに演じてみろよ。お前に勝てるやつなんていない。

星は目尻を赤くして、しおらしく言う。

「西子……君は俺の奥さんだろ」

「ストップ!」

私は心を鬼にした。だって、こいつは私を助けて怪我したんだし、医者にも「ベッドから降りるな」って言われてる。だったら、世話するしかないじゃない。

看...

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