第139章

頭がぼんやりして、ベッドの縁に硬直したみたいに座り込んでいた。長いこと耳の奥がじんじんと鳴っている。

「西子?」

「林原汐瀬?」

藤原浩史が私の名前を呼んでいるのは聞こえる。けれど身体は眩暈の底に沈んだまま、現実にピントが合わない。

勢いよく立ち上がった瞬間、視界がぐらりと天地をひっくり返した。

「西子?」

……

記憶を失う前の私は、精神を病んでいたのだろうか。

だから私は、孤児院に関することだけを、まるごと忘れたのか。早山司のことだけを、きれいに消したのか。

いったい、何があった。

「西子……忘れていい。責めないから。忘れて……」

「西子、怖がらないで。ずっとそばにい...

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