第148章

星は医者と一緒に出てきた。医者が二言三言なにか言い含めると、星はどこか嬉しそうだった。

「西子……」

近づいてきた彼が、私の手を取る。

指先が少し冷たい。けれど、握られた瞬間、胸の奥がすとんと落ち着いた。

「西子、何か考えごと?」

この人はいつだって、私の内側を見透かす。

私は首を振った。

「ううん。何でもない。帰ろう」

星と家に戻る道すがら、私はずっと上の空だった。

鈴宮賢二は言った。かつて、自分は私の心理カウンセラーだったと……。

羽岡元哉は言った。鈴宮賢二の言うところの星は病気じゃない、病気なのは私のほうだと。

どういう意味?

「旦那様、奥様。早山信成様がご家族...

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