第16章

「白野恵美が善良じゃなかったら、お前はいまごろ刑務所だぞ」

藤原浩史が冷えた声で吐き捨てる。

私は感覚の抜けたまま立ち尽くし、周りが何を言おうと膝をつかなかった。

謝罪の言葉も、口にしない。

「謝らねえならさ、今夜こいつ、俺らで遊んでやろうぜ。殺さない程度にな」

金持ちのボンボンたちが、下品に笑い合う。

私はその場から動かず、藤原浩史を見た。

「説明したよね……私じゃない。私が押したんじゃない。どうして信じてくれないの」

藤原浩史は眉を寄せ、露骨にうんざりした顔をする。

「嘘ばっかりつくくせに……」

「……いい」

私は彼の言葉を遮った。もう、やめて。

これ以上、彼に傷...

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