第173章

私は素早くベッドの下へ潜り込み、入ってきた人物を息を殺して見つめた。

――あの家政婦だ。

鈴宮賢二と白野恵美が、藤原家の中をあれほど平然と出入りできていた時点で察するべきだった。この家政婦は、どう考えても「白」じゃない。

家政婦は鎌田。私が藤原家に来てからずっと、私と藤原浩史の身の回りは彼女がつきっきりで世話をしてきた。

私たちは彼女を鎌田と呼んでいる。四十八歳。いつも地味な服装で、化粧っ気もない。少し老けて見えるけれど、目鼻立ちは整っていて、若い頃はきっと綺麗だったのだろうと分かる。

性格はおとなしくて、頭も切れる。余計なことは言わないし、聞かれても必要最低限しか答えない。藤原叔...

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