第180章

「星……」

掠れた声で、私は星の名を呼んだ。

星は早山守重の顔面に、拳を叩きつけ続けていた。まるで理性の糸が切れたみたいに。

取り巻きの男たちは、その様子に腰が引けた。手を出してきたやつは、星が振り下ろした棒で床に叩き伏せられる。

その瞬間の星は、人間じゃなかった。獲物を仕留めることだけを考える獣――こいつらを……全員、殺すつもりだ。

「星……!」

私は必死に名を呼び、彼の理性を引き戻そうとした。

もう二度と、彼を精神病院に送りたくない。

私の声が届いたのか、星はびくりと身体を強張らせ、手にしていた棒を放り投げた。そして全身を血に染めたまま、ふらふらとこちらへ歩いてくる。

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