第189章

藤原浩史は鼻で笑った。まるで星を嘲るみたいに。

――こいつは外す。

――星は所詮、思い上がってるだけ。

そう信じ切っている顔だった。白野恵美のことを、頑なに。

……ふと、藤原浩史が哀れに思えた。命を救われた、その恩ひとつで目が曇ってしまうなんて。

「西子……」

警察が捜索に動いたタイミングで、藤原浩史も星も、真っ先に私に話しかけてきた。

私は眉をひそめ、目の前の二人を警戒する。

片方は、記憶喪失のせいで完全に忘れてしまった元恋人。

もう片方は、記憶を失ったあとに――私が間違って愛してしまった男。

どちらも、ひどく陌生だった。

藤原浩史は反省しているように見える。けれど白...

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