第197章

BJ丁目、立ち退き予定の一帯。

車は少し離れた場所に停めて、私は歩いてここまで来た。

星は道中ずっと黙ったまま。私を止めたいのに止め方が分からない、そんな顔をしている。桃香に会いに行くのが気に入らないのも、手に取るように分かった。

私だって腹が立っている。星はいつもそうだ。止めるくせに、理由を言わない。

「桃香は危ない。お前を傷つける」でもいいし、他のどんな理由でもいい。ちゃんと言ってくれれば、私は受け入れられる。なのに一言もなく、ただ頑固に塞いでくるだけ。そんなの、機嫌よくいられるわけがない。

「西子……」

私が怒っているのが分かったのだろう。星は肩を落とし、私の三メートルほど...

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