第200章

藤原浩史は一瞬、言葉を失った。

「西子……」

私は藤原浩史を見据えたまま、あの手紙をびりびりに引き裂く。

「そんなもの、もうどうでもいい。本川西子は――もう死んだの」

本川西子は、死んだ。

過去のことなんて、もう重要じゃない。

ただ、分かっているのは……さっき、わざと席を外したとき。

苦しそうに歪む星の顔を見た瞬間、胸が痛くてたまらなかったこと。

裂けそうなくらいに。

「降りる」

私は藤原浩史に停車を促した。

けれど、藤原浩史は止める気配がない。

「止めて!」

感情が制御できず、私は力任せにドアを開けようとした。

藤原浩史は運転手に目で合図して、そのまま走らせる。...

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