第204章

「旦那様は自殺に見せかけろ、だとさ」

黒谷浩也が吐き捨てるように言った。

「このまま殺すのはもったいないっすよね。旦那様のご意向が「罪を苦にして自殺」なら、「罪を恐れて逃亡」って線でもいけるんじゃないっすか?」

「……どういう意味だ」

「高く売れるってことですよ」黒谷浩也は鼻で笑った。

目を開けたい。けれど、今はまだ動けない。下手に反応すれば終わりだ。

黒谷浩也――こいつも、人さらいの一味。

やっぱり、ろくな連中じゃない。

連続殺人の「リスト」に載ったやつらが、まとめて狩られていったのも当然だ。

「羽岡美子が死んだせいで、向こうと直接つながれねえ。金も折半だ。最悪だな」

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