第206章

家に戻ると、私は慌てて車を降り、地下室へ駆けた。

鉄の檻の中で、星がずっと狂ったように吠えている。飼い主の危険と、こちらの焦りを感じ取っているのがはっきり分かった。

胸の奥がざわざわして仕方ない。足裏の傷がまたぱっと開いて血が滲み、階段で足を滑らせた。

どさり、と身体が落ちる。

痛みが全身をさらっていき、堪えきれずに涙がこぼれた。

それでも歯を食いしばって起き上がり、びっこを引きながら地下室へ向かう。

怖い。

もし地下室が騒がしくて、星が何かを叩き壊しているなら、まだいい。怖いのは静けさだ。

羽岡宇京は言っていた。星は自傷する、と。

どうしてここまで心配してしまうのか、自分...

ログインして続きを読む