第22章

「陸田警部補、あのイカれた男を放したって聞いたけど?」

署内で、白野恵美を連れて出てきた藤原浩史が、不機嫌そうにそう言った。

白野恵美は何かに怯えたみたいに、藤原浩史の胸に身を寄せる。

藤原浩史はジャケットを脱いで、甘やかすように恵美の肩へ掛け、そのまま抱きしめた。

「寒いか?」

白野恵美はか弱くうなずく。

「藤原さん、相手には保護者がいます。保護者の身元保証で身柄を引き取られました。先方は、あなたのご友人に何かあれば連絡してほしいと。治療費などの損害については一切負担する、と」

陸田哲は名刺を差し出した。

藤原浩史は受け取って一瞥し、目に見えて表情が変わる。すぐに眉をひそめ...

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