第220章

全員が息を殺し、周囲を警戒していた。

私は荒い呼吸のまま壁に背を預け、俯いて自分の両手を見る。指先から掌まで、べっとりと血がついている……。

でも、私はただ浦村早助の腕をナイフで切っただけだ。こんな量の血が、手に残るはずがない。

反射的に手を背中へ隠し、必死に擦って血を落とそうとする。

違う……私じゃない。私が殺したんじゃない。

なのに、どうして私の手に血が――。

「こいつだ!」

黒谷浩也がいきなり私に矛先を向けた。

「こいつの手、血まみれだったの見た!」

「狂ってやがる……やっぱりだ。あの狂人と一緒にいる奴は、みんな狂ってる!」

空気が一気にざわつき、感情が沸点まで跳ね...

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