第29章

藤原浩史は家に戻らず、西区の路地と、古い商店街の裏路地へ向かった。

彼が何をするつもりなのか、私には分からない。ただ、足取りの定まらないまま、一歩ずつ彼のあとを追った。

たぶん――私は、真実を知ったときの彼の顔が見たかったのだ。

後悔するのか。解放されるのか。それとも、真っ先に白野恵美を庇うのか。

「藤原浩史。あなたは私に、ほんの少しでも情があった? 私を踏みにじっていたとき、何を考えてたの? 嫌いなくせに、底なしに奪うの?」

藤原浩史の背中に向かって、私は何度も何度も問いかける。

聞こえるはずがないと分かっているのに、それでも答えが欲しかった。結末が欲しかった。

「浩史くん…...

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