第42章

陸田哲は吸い殻をゴミ箱に落とし、もう一度口を開いた。

「本川西子さんの携帯は、損傷の程度がまちまちだ。だが完全に復旧不能ってわけじゃない。ただ――修復には時間がかかる。結果は、待つしかないな」

踵を返して立ち去ろうとして、ふと思い出したように振り返る。視線の先は藤原浩史だった。

「お前の迷いと庇い立てのせいで、本川西子が死ぬ、あるいはもっと恐ろしい目に遭う。そのときは――お前も共犯だ。法が裁けなくても、道徳と良心が一生、お前の足枷になる」

藤原浩史はその場に突っ立ったまま、感情の抜け落ちた顔をしていた。ほんの一瞬で、ひどく疲れ切った人間みたいに見えた。

私は一度だけ振り返り、二度と...

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