第43章

白野恵美が「殺人鬼に狙われてる」と言い出したときは、代わりに本川西子を差し出して、犯人をおびき寄せようとしたくせに。

白野恵美が自分勝手なのは、誰の目にも明らかだった。……藤原浩史を除いて。

陸田哲は意味深に藤原浩史を見つめる。こいつは本当に、そこまで愚かなのか。それとも――何か事情がある?

「ごめんなさい……わ、私、もう赤いワンピース持ってなくて……」

白野恵美は口ごもり、再確認されても頑として渡そうとしない。

警察に余計な手がかりを掴まれたくないのだ。

藤原浩史は一瞬、固まった。

「……あるだろ」

あるはずだ。以前、白野恵美が「すごく好き」と言っていた赤いドレス。俺が買っ...

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