第44章

若葉は地べたに座り込み、星を見上げた。「西子は……?」

星は手にしていた棒をぽいっと放り投げ、何かに怯えたみたいに身を翻すと、そのまま逃げようとした。だが次の瞬間、陸田哲に壁へ押さえつけられる。

「何で逃げる! ここで何してた! 連れてけ、署で聴取だ!」

陸田哲の怒鳴り声には、濃い怒気が滲んでいた。

――また、星。

分かってる。陸田哲の星への疑いは、確実に深くなった。

私は胸の奥で、ふっと息を吐く。これでいい。

真相に早く辿り着いて、私の遺体さえ見つかれば……。

警察は星を連行し、陸田哲は鈴宮若葉を抱きかかえて連れていった。

私はその場に取り残され、ぼんやりと立ち尽くす。視...

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