第66章

「確かに……確かに本川西子が白野恵美さんを突き落としたんじゃない。俺、下にいたんだ。はっきり見たんだよ……」

崎原傑は壁にもたれ、泣きながら口を開いた。

「はっきり言え」

藤原浩史の圧は低い。声も、氷みたいに冷たかった。

「その日……俺と寿美子は、兄貴の家にいた。白野恵美さんと本川西子が揉めて……白野恵美さんが、足を滑らせて……階段から落ちたんだ。確かに、突き落としたのは本川西子じゃない」

崎原傑は嗚咽を噛み殺しながら続ける。

「認めるよ。俺が嘘ついた。わざと本川西子をハメた……庇いもしなかった……」

藤原浩史は何も言わない。

ただ崎原傑の襟首を掴み、容赦なく拳を叩き込んだ。...

ログインして続きを読む