第67章

星の呼吸は熱を帯び、額には汗がにじんでいる。明らかに高熱だ。足元もふらついていた。

背後から抱きしめられ、耳元で小さく囁かれる。

「西子……怖い」

……え? あんたが怖いとか言う?

こいつが出てきた瞬間、周りのほうが震え上がるくせに。

とくに白野寿美子みたいな連中は、他人をいじめて笑いものにする。でも星は、いつだって「殺す側」に立てる人間だ。

「やっぱり……裏があったのね! この精神病の殺人鬼とグルだったなんて! 今日ここまで来た以上、無事に帰れると思わないで!」

白野寿美子が怒鳴り、傍にいた連中へ顎で合図する。

鈴宮若葉が状況を飲み込む前に、私は片手で若葉、もう片手で星を掴...

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