第79章

星は、いわゆる無言で手が出るタイプだ。やれる状況なら、相手に余計な口をきくことは絶対にしない。

私が必死で星を引き止めた、そのときだった。白野恵美が、スカートに血を滲ませたまま誰かに抱きかかえられて運び出されてくる。

藤原浩史は眉をひそめ、面倒くさそうに身を翻して白野恵美を受け取ると、陰気な顔のまま去っていった。

私はその様子を、妙に面白がりながら眺めていた。藤原浩史と白野恵美の間で、空気がほんの少しだけ変わったのが分かったからだ。

……藤原浩史、もううんざりしてる?

はは。ほんと、クズ男。

私が知っている藤原浩史なら、そう遠くないうちに、白野恵美がしつこく縋りつけば縋りつくほど...

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