第8章

「浩史君、あの人……怖い。ずっと、こっち見てる……」

背後で白野恵美がぶるぶる震えながら言い、藤原浩史の背中に隠れる。

私は振り返って、ようやく息を吐いた。あの異様な視線の先は私じゃない。白野恵美だった。

男は怒りを噛み殺すみたいに恵美を睨みつけているのに、ひと言も発しない。

「こいつは星っていうんだ。近くの孤児院の子でさ。前に人のサンドイッチをひったくって、俺が捕まえたことがある。悪いやつじゃないと思うぞ」

警官のひとりが、かばうように言った。

私は必死に首を振る。

「違う。こいつは悪い。こいつが殺人犯だ!」

警官が星の腕を放す。

星はみっともなく地面から起き上がった。や...

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