第84章

一階の主寝室。お爺さんが運び戻され、ベッドに横たえられていた。顔色は悪く、状態もかなりよくない。

早山信成と、その息子まで来ていた。最初から、穏やかに済ませる気などない顔だ。

早山家の分家、それも信成寄りの近しい連中がほぼ揃っている。誰もが胸の奥に別の算段を隠し、視線だけが忙しく動いていた。

彼らの目に映る私は、相変わらず「扱いやすい女」なのだろう。早山家の跡取りを産ませるために「買われた」林原汐瀬。弱くて、押せば折れる――そう思っている。

けれど、知らないだけだ。

林原汐瀬の身体は、もうとっくに「中身」が入れ替わっている。

「お爺さんが倒れた以上、早山家は一日たりとも主不在には...

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