第91章

大柄な男はまだ床に転がって喚き散らしていた。どうやら、この一発で早山司から千だか二千だか、ふんだくるまで終わらせる気はないらしい。

私の隣に座っていた女の子が、スマホでその様子を撮りながら、おずおずと声をかけてくる。

「お姉さん、この人……彼氏ですか? めっちゃカッコいい……!」

私は顔を上げ、少し離れたところで冷たく突っ立ったまま、床の男を見下ろしている早山司を見た。

たぶん――。

あの人の頭の中では、もう「どうバラすか」「どう始末するか」みたいな物騒なことが渦巻いている。

息をひとつ吸い込み、私は愛想笑いで誤魔化した。

「はは……ああいう性格なの」

「いいか! 金払わねえ...

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