第110章 彼の誕生日

酒席がお開きになると、皆が肩を貸し合いながら店を出て、そのまま連れ立ってホテルへ戻った。

部屋の前で、名取佳奈は陸野雲平と「おやすみ」を交わし、カードキーを取り出してドアを開ける。

室内は真っ暗で、しんと静まり返っていた。あるのは、カーテンの隙間から漏れ込む街のネオンだけ。まだらな光が絨毯の上に落ちて、ゆらゆらと揺れている。

佳奈は照明を点けなかった。外の明かりを頼りにコートを脱いでソファへ放り、どさりと身を沈める。続けてスマホを取り出した。

指先で画面を払うと、SNSのタイムラインが更新される。

まず流れてきたのは、先輩たちが上げた集合写真。店の前にぎゅうぎゅうに並んで、みんな眩...

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