第115章 彼のために特注したもの

田中は薄井礼央の身体を起こし、背中に柔らかな枕を当ててやると、白粥の椀を差し出した。

「旦那様、少し召し上がってください」

薄井礼央は気力だけで椀を受け取り、匙でひと口すくって口へ運ぶ。飲み下した瞬間、眉間がきゅっと寄った。

口当たりはやわらかく、ほのかに甘みもある。けれど――どこかが決定的に足りない。

彼は小さく首を振り、もう飲む気になれなかった。

「やっぱり……佳奈の粥が一番うまい。あいつの白粥には、いつも山芋をほんの少し刻んで入れてあってさ……香りがあって、胃にあったかく落ちるんだ。こんなふうに、味が薄いことなんてなかった……」

その言葉に、田中の手がぴたりと止まった。椀を...

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