第26章 アルバム

名取佳奈は家で一日休んでいたが、ふと、薄井礼央との結婚指輪がもう一組あることを思い出した。

その指輪は、結婚した当時、佳奈が自分で選んだものだった。

けれど選んだきり、結婚式の日を除けば、薄井礼央がそれを身につけたことは一度もない。ずっと書斎の金庫にしまわれたままだった。

どうせ出ていくのなら、その結婚指輪も売って現金に替えてしまおう。買ったときは数百万円した品だ。

そう考えた佳奈は、田中さんに書斎の鍵を貸してほしいと頼んだ。

田中さんはためらいがちに、渡すべきかどうか迷っているようだった。

「奥様、旦那様は前におっしゃっていました。ご自分の許しがない限り、誰も書斎に入れてはなら...

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