第57章 彼に何ができるのか?

名取佳奈は治療ベッドの脇に腰を下ろし、ウェンナート医師が機器を調整しているのを見つめながら、こらえきれずに尋ねた。

「ウェンナート医師……私、しばらくしたら国外へ行くんです。向こうに行ったら、もうこの機械の治療は受けられませんよね。その場合、どうしたら……?」

事前に調べてある。ウェンナート医師は今回帰国したあと、この国で腰を据えて暮らす予定だ。

彼女が国外へ出たら、数日おきに帰国するわけにもいかない。さすがに現実的じゃない。

ウェンナート医師は穏やかに笑った。

「名取さん。今日の治療が終わったら、リハビリを始められます。リハビリは私の教え子がサポートしますから、動きをきちんと覚え...

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