第78章 彼女のために棍棒を受け止める

名取彰彦は陰鬱な顔で名取佳奈をにらみつけた。その目には、剥き出しの凶暴さが宿っている。

「最後にもう一回だけ聞く。この金……出すのか、出さねえのか」

「出さない」名取佳奈は一語一語、噛みしめるように言い切った。引く気など、欠片もない。

「……いい。いいだろうよ!」

名取彰彦は怒りで全身をわなわな震わせ、衝動のまま視線を周囲へ走らせた。

壁際の隅に、孤児院で洗濯物を干すのに使う、無垢の木の棒が立てかけてあるのが見える。

彼は迷うことなくそこへ踏み込み、棒をひっつかむと、名取佳奈めがけて突進した。

「ここまで育ててやったのに、役立たずが! 今日はてめえみたいな親不孝、叩き殺してやる...

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