第79章 君が手伝ってくれ

「無事でよかった、ほんとに……。じゃあ私は子どもたちをプレイルームに連れていくわね。あなたたちは、用があるならゆっくり話しなさい」

中島院長は薄井礼央の傷ついた腕にちらりと目をやった。そこに一瞬、言葉にしきれない複雑さが滲んだものの、何も言わずに子どもたちを連れて去っていく。

庭に残ったのは、名取佳奈と薄井礼央の二人だけだった。

名取佳奈の視線が、再び彼の右の前腕に落ちる。

傷口はじわりと血を滲ませ、青あざもさっきより濃い。あの一撃がどれほど重かったか、想像に難くない。

佳奈は唇をわずかに動かした。何か言いかけて――結局、言葉にならない。

数秒の沈黙ののち、彼女は踵を返し、足早に...

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