第83章 彼はどうして来たのか?

名取彰彦の顔色が、赤から白へ、そして鉄のような青へと一瞬で変わった。両手は勝手に震え、名取佳奈を睨みつける瞳には、信じられないという色が濃く滲む。

「お、お前……俺を調べたのか?!」

「あなたたちが、こっちを追い詰めてくるからよ。でなきゃ、わざわざ昔の帳簿なんて掘り返さない」

名取佳奈は淡々と言い、青ざめた名取彰彦を一瞥して、鼻で笑った。

「この証拠があれば、あなたは檻の中。会社も終わりよ」

名取彰彦の瞳孔がきゅっと縮む。拳を握りしめ、さっきまでの威勢は跡形もない。声だけが怒りで震えていた。

「……で、何が目的だ!」

「簡単よ」

名取佳奈は真正面から見据え、一語一語を噛み砕く...

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