第96章 誰のほうがもっとひどい?

薄井礼央は、須藤唯のいかにも悔しそうな顔を見て、それから名取佳奈の冷え切った表情を見た。胸の奥に罪悪感は残っている。けれど、反射的に肩を持ってしまうのは、やはり須藤唯のほうだった。

「佳奈。唯だって善意で誘ってるんだ。いつも壁を作って拒んでばかりじゃなくてさ。もともと俺たちも行く予定だったろ。だったら明後日、一緒に行こう」

名取佳奈は、途方もない冗談を聞かされたみたいに、口元をきゅっと吊り上げた。嘲るような笑み。

「薄井礼央、勘違いしないで。私は付き添いじゃない。あんたと須藤唯が相思相愛で湾へバカンスに行くっていうなら、私がついて行って何になるの? 邪魔者として立ってろって? それとも...

ログインして続きを読む