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体を駆け巡るアルコールも、私の意識を曇らせることはなかった。私の再生能力がその効果を鈍らせ、軽い鎮静剤程度のものに変えてしまうのだ。ささくれだった感情を鎮めるには、それで十分だった。疲れていた。肉体的にではなく、精神的に。そして今下そうとしている決断は、かつての私なら考えもしなかったものだ。ケンゾーを愛してはいない。本当のところ、もう誰かに対して心を開くことができるのか、自分でも分からなかった。ハドリアンへの想いは今も胸の中で燃え続け、失ったものの大きさを痛々しく思い知らせる。

でも、その想いは葬り去らなければならない。私自身を再建し、ばらばらになった人生の欠片を、意味のある形に組み直さなけ...

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