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ハドリアンの部屋のすぐ外で、私は彼の前に立っていた。裸足の足に、片方の肩からずり落ちたシルクのナイトガウンだけを纏い、私は彼と視線を合わせた。彼は私の頭のてっぺんからつま先までをじっと見つめている。

彼の指が私の指に絡みつく。中へ入るようにという無言の誘い。だが、彼は敷居をまたぐ直前でためらった。

「カーテンを閉めないと」と彼が呟いた。

私の唇に、ゆっくりと不敵な笑みが浮かぶ。「その必要はないわ」私はそう言い返し、大胆にも自らドアを押し開けた。

彼の表情に驚きがよぎる――カスピアンに見せたのと同じ種類の驚きだ。彼は身じろぎもせず、私が陽の光が差し込む彼の部屋へと、自信に満ちた、ゆったり...

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