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ドアの方を振り向くと、心臓が激しく脈打つ中、廊下の暗がりからありえないほど長身の影が姿を現した。彼が独房に足を踏み入れると、私は本能的に後ずさった。裸足が、まだ温かいリーフの血溜まりに沈み込む。この窒息しそうな状況にもかかわらず、私の身体は彼を近づけすぎてはならないと知っていた。彼の存在だけで部屋の空気が圧迫され、暗く危険な何かで濃密になっていく――息をするのも苦しいほどに。

やがて、光が彼の姿を照らし出した。無造作に波打つ黒髪に、金色の斑点が散りばめられた、射抜くような緑の瞳を持つ男。その眼差しは、深いオリーブ色の肌に映えて光を放っていた。高い頬骨とシャープな顎のラインが、彼が放つ純然たる威...

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