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「親友がいよいよ王冠を戴くのね!」

フレイヤの興奮は凄まじく、私の鼓膜が破れんばかりだった。

正直に言えば、王冠なんてどうでもよかった。本当に私を不安にさせていたのは、ウェディングドレスの方だ。――死が二人を分かつまで。あの誓いの言葉が、今になって初めて実感するほどの重みを持って迫ってくる。あれは詩的な表現などではなく、何世紀も共に過ごすという意味なのだ。エイドリアンが私を愛してくれていること、私が彼を愛していることに疑いはない。それでも、吸血鬼の問題が心の隅に引っかかっていた。

超ド級の庶民として一ヶ月暮らしてみて、人間の血は必要ないこと、エイドリアンの血だけで十分だということがわかった...

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