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自分の状況をどう説明すればいいのか、言葉を探しながら、私は一房の髪を指で弄んでいた。疑念が胸の中で渦巻く。ハドリアンを、私は本当に信じてもいいのだろうか? 彼がこれから私が明かす真実をどう受け止めるのか。私が読んできたファンタジー小説では、ウェアウルフとヴァンパイアは不倶戴天の敵として描かれていた。聞く限りでは、ヴァンパイアであるハドリアンもウェアウルフを特に好んではいないらしい。そして今、私は自分が二人のアルファの娘であり、父が群れのリーダーであることを彼に告げなければならないのだ。

「私の話は……その、複雑で」乾いた笑いが漏れる。

ハドリアンは少しも動じない。射抜くような視線が私を捉...

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