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議会の舞台を思わせる円形の広間へと、私たちは足を踏み入れた。中央に鎮座する特別席を囲むように、傍聴席がすり鉢状に急勾配で広がっている。百席ほどある席はすべて埋まっていた。傍聴人の大半は黒い法衣をまとっているが、特別席に座る者たちは血のように深い赤色の法衣を身につけており、ひときわ目を引いた。五人いる彼らの服装は、この法廷を統べるエリート集団である裁判官としての地位を示しているのだろう。残りの者たちは法廷関係者と思われ、その黒衣は統一感のある、不吉な存在感を放っていた。

中に入った瞬間から、一人の人物が私の注意を引きつけて離さなかった。特別席の中央の椅子に悠然と座っているのは、白に近い金髪と、...

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