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「言語道断の行いだ、ケスラー護国卿!」アシュクロフト護国卿が怒鳴りつけた。「二百年以上もの間、死刑を宣告された貴族など一人もいない! 貴族一人の命は、ただの人間千人の命にも勝るのだぞ!」

その言葉に胸の内で炎が燃え上がったが、今回はぐっと唇を噛みしめた。沈黙こそが、生き延びるための最良の盾となることも多いと学んだからだ。

「すでに我々から富も爵位も奪っておきながら、まだ罰が足りぬと申すか? 今度は命まで差し出せというのか?」元貴族、現ウォーデンのドリアン・ヴェクスリーが憤慨した。彼の激昂に呼応するように、息子たちが動揺し、憤りに満ちた息を呑む音が響いた。

ハドリアンは悠然と法廷の中央へと...

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