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視界が晴れてくると、一頭の灰色の狼が隣に横たわっていることに気づいた。その温もりが、私を寒さから守るように包み込んでいる。巨大な尻尾は私の小さな体の半分以上を覆い、毛布のようだった。その大きさに反して、恐怖はまったく感じない。なぜだか、もうその名前を知っていた――人間の名前を。

オベロン。

それが彼の名。夜の冷気から私を庇ってくれる狼。

私は静かに座って、彼を見つめていた。私がかすかに身じろぎすると、彼は目を覚ました。巨大な頭を持ち上げ、毛むくじゃらの額と耳を私の頬にすり寄せてくる。そのあまりに優しい仕草がくすぐったくて、思わず笑ってしまった。彼はとても優しく鼻を寄せてくる。その瞬間、私...

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