第2章

 私たちは広々としたデスクを挟んで、死のような沈黙の中で向かい合っていた。

 彼の葉巻は指先まで燃え尽きようとしていたが、ロナルドは微塵も動じなかった。私は、せめて彼が少しでも感情を揺さぶらせてくれるのではないかと、甘い期待を抱いていたのだ。

 だがその代わりに、鋭く嘲弄するような鼻で笑う音が沈黙を切り裂いた。

 彼は立ち上がり、私たちの間にある灰皿に葉巻を押し付けて揉み消した。「あいつの言った通りだったな。本当にそのカードを切ってくるとはね、モニカ」

 私は完全に虚を突かれ、凍りついた。

 彼は私から視線を外すことなく、スマートフォンで送金画面を開き、「確認」ボタンをタップした。

 そしてボイスメッセージを送った。「君の勝ちだ、アガサ。今、五百万ドル振り込んだよ」

「ロナルド……」私は彼を見つめた。胃の底が抜け落ちていくような感覚だった。「一体、何をしているの?」

「お前が離婚を盾にして俺を脅してくるだろうって、アガサが言っていたんだ。女のことは女が一番よく分かっているってことだな」

 彼は無造作に私の鼻筋を指で弾いた。「お前のせいで五百万ドル損したよ」

 私はその手をピシャリと払いのけた。「冗談で言ってるんじゃないわ!」

 ロナルドは自分の手に浮かび上がった赤い痕をちらりと見下ろし、苛立ちに眉をひそめた。

「芝居はやめろ。壊れたレコードみたいに同じことの繰り返しじゃないか」

 再び顔を上げたとき、彼の瞳は氷のように冷たかった。

「本当に俺を傷つけたいなら、モニカ、今すぐ外に出て見知らぬ男とでも寝てくるんだな。ここでヒステリーを起こすより、よっぽど俺にダメージを与えられるぜ」

 パァンッ。

 私の平手が彼の頬を打ち据え、パンという乾いた音が部屋中に響き渡った。

 ロナルドの顔が横に弾かれた。

「私のために命だって懸けてくれたあのロナルドはどこへ行ったのよ!?」どうしようもなく震える体で、私の絶叫が部屋を切り裂いた。

 ロナルドの体が硬直した。三秒間の、死のような沈黙。

 それから、冷たい嘲笑が漏れた。彼は顔を背けた。

 彼が今、何を見ているのか――何を思い出しているのか、私には痛いほど分かった。

 私たちは十四歳だった。両親が亡くなった後、彼の母親が私を引き取ってくれたのだ。

 その施しの代償が何だったか? 安っぽい網タイツを無理やり履かされ、街角に立たされて、地元のチンピラの慰み者にされることだった。

 その日は、空が割れたかのような土砂降りの雨だった。私の服はズタズタに引き裂かれていた。彼女は私の髪を掴み、泥だらけのアスファルトの上を引きずり回した。

 ロナルドは膝をつき、血が滲むまでコンクリートに額を打ち付けながら、やめてくれと母親に懇願していた。

 だが、悪意に満ちた目をしたその女は、ただ狂ったように笑うだけだった。

「ロナルド、お父さんがなんで私たちを捨てたか知ってるかい? あの売女、アガサのせいだよ! それに、あんた――」彼女は死人のような目で私を射抜いた。「あんた、あの女とそっくりな顔をしてるじゃないか! あんたをめちゃくちゃにしたがってる路地裏のクズどもなんて、いくらでもいるんだよ!」

 金切り声を上げながら、彼女は錆びた剪定ばさみを振り上げ、私の顔めがけて突き下ろしてきた。

「やめろ!!」

 ロナルドが獣のように彼女に体当たりし、激しく突き飛ばした。

 泥はひどく滑った。脆く、そして邪悪なその女は足を取られ、後ろへと激しく転倒した。

 ドスッ。

 ぞっとするような鈍い音が響いた。彼女の頭が、コンクリートの階段の鋭い角に打ち付けられたのだ。どす黒い赤が、雨の中に瞬く間に広がっていった。

 過失致死で警察に連行された時、彼の手は赤く染まっていた。雨のしたたるパトカーの窓越しに私を見つめる彼の瞳には――後悔の色など、一滴たりともなかった。

 彼は少年拘置所へ送られた。私は、彼が私のために奪った命に見合う価値が自分にあることを証明するためだけに、血を吐くような思いで勉強に打ち込んだ。

 彼が出てきた時、背は伸びていたが、ひどくやつれていた。それでも、彼は微笑んでくれた。「お前に未来があるって分かっただけで、モニカ……すべて報われたよ」

 その時、私は誓った。他の誰かを愛することなど、絶対にないと。

 十年後、私はその誓いを守り続けている自分自身を憎悪していた。

 ロナルドが重いため息を吐き、私を現実へと引き戻した。「そんな大昔の話を蒸し返して、何の意味がある?」

 私の拳は震えていた。

「モニカ、俺があの時、どうして自分の人生を投げ打ったか分かるか?」

「どうして……?」

「若かったからさ。そして、馬鹿だったからだ」

「今、なんて言ったの……?」

 彼は顎を上げ、傲慢でよそよそしい態度をとった。「俺たちは十四歳だった。世の中のことなんて、どれだけ知っていた?」

「ほんの少し感情が燃え上がっただけで、俺たちは正気を失い、すべてを懸けてしまった。だが、人間が十四歳でいられるのは一度きりだ」

 喉が締め付けられた。息ができなかった。

 彼はこちらを嘲るようにニヤリと笑った。「お前は永遠に十四歳のまま生きていく気か? まだ大人になってないのか?」

 私の両目が熱く焼けつくようだった。

 彼はジャケットを手に取り、ドアへと向かった。「過去は過去だ。もう忘れろ」

「忘れろですって?」

 私の声はかすれていた。「あなたが出所した後のことは? 私に付きまとっていたあのチンピラどもを、たった一人で血祭りに上げに行ったことも? それも忘れろって言うの?」

 彼はドアの敷居で立ち止まった。

「『前科者が彼女の未来を台無しにする』って誰かに言われたからって……」私は彼の広い背中を睨みつけた。「あなたは一睡もせずに考え込んで、その翌日には刃物を手にし、下っ端の用心棒としてフェランテ・ファミリーに身を売ったじゃない!」

 私は壊れたような笑い声を漏らした。「また自ら闇の世界に飛び込んでいったのよ。死体の山を乗り越えて、這い上がってトップに立ったんじゃない」

「血と鉄の匂いをさせて帰ってくるたびに、あなたは私をきつく抱きしめて誓ってくれたわ。『俺の愛が、お前を誰よりも高い場所に立たせるんだってことを、全員に思い知らせてやる』って……」

「ロナルド……どうやったら、そんなことを忘れられるっていうのよ?」

 彼は暗がりの中で立ち止まった。ほんの一瞬だけ。

「それはお前の問題だな」

 バタンとドアが激しく閉まり、私の最後の希望の糸を断ち切った。

 血塗られた記憶――その記憶を抱えているのは、もう私一人だけになってしまったのだ。

 どれほどの時間そうしていたか分からない。私は呆然と立ち尽くし、手にした離婚届の端をくしゃくしゃになるまで握りしめていた。

 荒い息を吐きながら、私は南棟へと向かった。彼がどこへ行くのか、痛いほど分かっていたからだ。

 しかし、半分開いたマホガニーの扉の前に辿り着いた瞬間、私のブーツは床に釘付けにされたように動かなくなった。

 扉の隙間から、アガサが彼の膝の上にちゃっかりと腰を下ろしているのが見えた。

「港湾局の印鑑を、モニカの手から直接奪い取るなんて……」アガサは彼のネクタイを弄りながら、滑らかな声でくすくすと笑った。「忘れないでね、建前上、私はまだあなたの父親の女なのよ。私に一体、何をしようっていうの?」

 ロナルドは彼女の腰を撫でた。その瞳には、かつて私に向けられていたのと同じ、目が眩むほどの甘い優しさが宿っていた。

「俺の愛が……君を誰よりも高い場所に立たせるんだってことを、全員に思い知らせてやる」

 指先から書類が滑り落ち、パサリと乾いた音を立てて床に落ちた。

 私のために実の母親を殺し、死体の山を越えてきたあの少年は今、自分の家族を崩壊させた女を抱き寄せている。そして、私に誓ったのと同じ言葉を吐いているのだ。

「あなたは本当に大人になっていないのね、モニカ」

 私を守るためにその手を血に染めた男は今、私が見知らぬ男と寝ていないことを嘲笑っている。

 十年前にとうに失われた純粋さを、まるで滑稽なピエロのように、たった一人で守り続けていたのは私だけだった。

「ここで何をしている?」

 背後の沈黙を切り裂くように、ノアの冷たく若い声が響いた。

 私は我に返り、慌てて床の書類を拾い集めると、その場から逃げ出した。ロナルドが母屋に戻ってくるのを待つしかなかった。

 だが夜明け頃、私の寝室のドアが乱暴な蹴りで勢いよく開け放たれた。

 反応する間もなく、強烈な平手打ちが飛んできて、私の顔が横に弾かれた!

「エメラルドのネックレスをどこに隠したのよ!?」アガサが目を血走らせて金切り声を上げた。

 すべてが腑に落ちた。彼女のネックレスがなくなったのだ。

 昨夜、私が南棟の近くにいたのを見られたため、彼女はロナルドを真っ直ぐ私の部屋まで引きずってきたのだろう。

 彼女は叫び声を上げ、二発目を見舞おうと腕を振り上げた。

 私は咄嗟に手を伸ばし、万力のように彼女の手首を掴み取った。そして強く突き飛ばし、彼女の体勢を崩させた。

「昨夜、確かにあそこにいたわ。でも、離婚届を置きに行っただけよ」

 ロナルドの眉が険しく吊り上がった。

 私は顎を上げ、毅然として言った。「信じないなら、監視カメラの映像を確認すればいい」

 アガサの顔からサッと血の気が引いた。

 人を陥れるのは彼女の最も得意とする道楽だった。だが、フェランテ・ファミリーの掟に基づく正式な裁きの場に持ち込まれれば、彼女の安っぽい小細工などひとたまりもない。あのネックレスは間違いなく彼女の寝室にあるはずだ。私の命を賭けてもいい。

 私は一歩前に踏み出し、鋭い視線で彼女を射抜いた。

「映像を出して。もし私が盗んだ証拠が映っているなら、片手を差し出すわ。それがファミリーの掟でしょう」

「でも、もしあなたが自分で隠したのだとしたら……」

 私は目を細めた。「ファミリーの掟では、身内を陥れた者は、舌を引き抜かれた上で貧民街に放り出されることになっているわよね」

 アガサは息を呑み、危うく足をもつれさせそうになった。

 そしてまさにその瞬間、張り詰めた空気を切り裂くように、悪意に満ちた声が響いた。

「その女が盗んだんだ!」

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