第11章

拍手がジュネーブの国連本部に響き渡った。

私は演壇に立ち、何百もの顔を見渡しながら、授与されたばかりのメダルを手にしていた。『人道医療活動への顕著な貢献に対する国際賞』。これまでの全てを思うと、自分がここにいることが現実離れしているように感じられた。

「ソフィア・エインズリー先生」と、司会者が告げた。「アフリカの医療における先生の卓越した活動に感謝いたします。あなたのご尽力は、真の変化をもたらしました」

ソフィア・エインズリー。その名前は今や、本当に私のものだった――単なる隠れ蓑ではなく、私が実際になった人物そのものの名として。

カメラのフラッシュが、四年前の結婚式を思い出さ...

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