第8章
翌日、私は襲撃の計画を賢一に告げる決心をした。
まだ逃げるための資金が貯まっていないからだ、と自分に言い聞かせた。だが、それだけではないことは分かっていた。
私は賢一を見つけ、単刀直入に言った。
「来月の山崎との交渉、行ってはいけません」
彼は顔を上げた。
「理由?」
「罠です」
私は息を吸い込んだ。
「圭一が貴方の車列のルートを山崎家に漏らします。途中で待ち伏せされるわ」
賢一が目を細める。
「なぜそれを知っている?」
用意していた作り話を口にする。
「数日前、圭一に会いに行ったのです。晴子が店で騒ぐので、管轄してほしいと頼みに。……ドアの前まで行った...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
縮小
拡大
