第4章

 発表会は土曜の午後だった。私がホテルのフロントにギフトボックスを預けてから、三週間後のことだ。

 長谷川スタジオは、繁華街にあるビルの三階を丸ごと借り切っていた。天井は高く、日当たりも良く、壁という壁には子供たちの作品が几帳面な格子状に展示されている。維持するのに莫大な金がかかるだろうに、そんな余裕のなさを微塵も感じさせない空間だった。

 私はまず、心春の作品を見つけた。青と緑で塗り重ねられたビル群の背後に、淡い朝焼けが広がる街の風景画。彼女はあの金のチューブに入った水彩絵の具を使っていた。私はしばらくその絵の前に立ち尽くし、それから自分の席を探した。

 五分後、長谷川凛がマイクを握...

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