第11章

智也は想像していた通りの子だった。

お母さん譲りのきれいな髪に、私と同じ緑色の瞳。十三歳にしては背が高く、あの頃の新とほとんど同じくらいだ。私のいるICUの病室に入ってきた彼は、小さな鉢植えを抱えていた。

「こんにちは」と彼は静かに言った。「これ、持ってきたんだ」

「それは何?」

「ワスレナグサ。お母さんが、お姉ちゃんは花が好きだって言ってたから」

酸素マスクが邪魔だったけれど、私は微笑んだ。「素敵ね」

彼は私のベッドの隣にある椅子に腰掛けた。今朝、心臓が十二秒間停止したのをきっかけに、お母さんと新が私を集中治療室に移したのだ。医師たちが再び心臓を動かしてくれたが、...

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