第10章

ほとんど一年が過ぎたころ、私の仕事は変わっていた。

そうするつもりで変えたわけじゃない。ただ撮り続けていただけで、その数か月のどこかで、自分が惹かれるものがすり替わっていた。分かりやすいもの――夕暮れの黄金色の光とか、絵はがきみたいに整った眺めとか――は減って。代わりに、そこに実際にあるものを撮るようになった。

縁側の手すりの、ひび割れた木。まだ直されていない。かかとがすり減った釣り用の長靴が一足、隣人の家の戸口の外に置きっぱなしになっている。フックに掛かったカーディガン。

あれは二枚、焼いた。

その秋、有希が何度か車で来た。土曜日に、都心のどこかで買ってきたサンドイッチを抱えて。縁...

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