第6章

千秋は素早く場の空気を読んだ。

静子の言葉が流れを変えたのがわかった。さっきまでうなずいていた数人が、すっと黙り込む。瑛太が何か言い出す前に、千秋が一歩前へ出た。

「ひとつ言っておきますけど――」力を抜いた、ほとんど世間話みたいな口調で。「この辺りの神崎家に関係するお仕事で、私、コンサルとして関わったことがあるんです。インテリアのデザインとか、海沿いの改修工事をいくつか。だから、ちゃんと縁はあります。いま言われてるみたいに、突然思いつきで口を出してるわけじゃないんです」

隣人たちに向ける目つきは、まるで「大丈夫、私は確かな人間ですから」とでも言うようだった。

そのとき、詩織の携帯が鳴...

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