第10章

 オープニングパーティー当日。

 私は画廊で最終確認を行っていた。

 成瀬はオーダーメイドの白いスーツに身を包み、髪を完璧にセットして、いかにも「新進気鋭のアーティスト」という風情を醸し出している。

 莉央も来ていた。派手なドレスで着飾り、「特別ゲスト」という立場で現場を仕切り始めている。

「ここの照明、暗すぎるわ。もっと明るくして」

「シャンパンタワーの位置が悪いわよ、視線の邪魔」

 スタッフたちが困り顔で私を見てくる。

 私は彼らに近づき、淡々と言った。

「高村様のおっしゃる通りにして差し上げて」

 莉央は勝ち誇った顔で私を見た。

「冴さん、やっぱり私にはセンスがある...

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