第6章

 個展を盛り上げるため、私は高村会長を招いての会食をセッティングした。

 当然、莉央も同席する。主役である成瀬も出席必須だ。

 この食事が消化不良に終わることは確定している。

 個室で、成瀬は私の隣に座り、莉央は彼の正面に座った。

 私が少し顔を向ければ、テーブルの下で二人が視線を絡ませ合っているのが丸見えだ。

「成瀬君、今回の個展の準備はどうだね?」

 高村会長は抜け目のない商人らしい笑顔で尋ねた。

「おかげさまで、冴のおかげですべて順調です」

 成瀬はグラスを掲げ、謙虚なふりをする。

「高村会長のご支援にも、心から感謝しています」

「いやいや、莉央が君の絵を気に入って...

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