第9章

 モニター越しの映像は見るに堪えない、反吐が出るようなものだったが、私の感情は凪いでいた。ただ冷静に、後の証拠とするために、彼らの会話の要点をメモアプリに記録し続けた。

 翌朝、ショーの幕が開いた。

 高級マンションの管理会社は優秀だ。朝七時きっかりに、水道と電気の供給が遮断された。

 莉央がシャワーを浴びている最中、突然悲鳴を上げた。

「キャッ! 何よこれ、水が出ない! 頭泡だらけなのに! サイテー!」

 成瀬がバスタオルを巻いて飛び込んでくる。

「どうした? ブレーカーが落ちたのか?」

 二人は右往左往していたが、結局成瀬がコンシェルジュデスクに電話をかける羽目になった。

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